ジャニオタという切り口

『ジャニオタ』という切り口

平野くんと二宮くんと、ときどき宇野くん

嵐の言葉の温かさ~会報Vol.91を読んで~

まだ会報を読んでいない方は、会報を先に読まれることをおすすめします。
 
 
タイトルに”STAY HOME ISSUE Our hearts are always with you ”と付いた会報が届いた。
 
一通り中身を読んで、リモートでこんな普段通りの雰囲気の会話ができる嵐ってすごいな~とか、昔の企画の写真を見て若いな~とか改めて思いつつ完全版の動画を見ようとしたら、QRコードから全然ログインできずに10回以上格闘した私はイラつきながら動画を見始めた。
 
 
前半は会報に書かれている内容とも重なっていて、ファンから募集した質問に答えるという企画に対し、いつもの「嵐らしい」、それぞれのキャラクターにマッチした穏やかな内容の受け答えが続いていた。馴染みがある内容も多くて、ファンにとっては見ているだけで笑顔になれるそんなたわいもない内容。
 
実際、私も先ほどのイラつきはどこへやら、嵐のメンバーの笑顔につられるように穏やかな気持ちでただただ画面を眺めていた。
質問に答えるだけの内容で1時間だなんて、ファンサービスがさすがだな~とか思いつつ、なんとなく、そんないつも通りの雰囲気で何ターンか受け答えがあって終わるんだろうなってそんな気持ちで眺めていた。
 
 
 
でも、嵐ってそういうたわいないよくある企画であっても、というか定型が予想しやすい企画こそかな、予想されるような定型を超えた温かさをいつも届けてくれる、ってことをまた、忘れていた。
 
とくに大きな重大発表がされるわけでも、盛り上がりそうな企画がなくても、心に何かを残してくれる。
それは安定しているって言葉で表されるのかもしれない、他には成熟している、とかだろうか。
でも、ただ安定しているのではなくて、ちゃんと心に響くような内容を伝えてくれる。
 
 
具体的には、とくに「大人の階段を登るのが恐い」という相談に対しての嵐のそれぞれの答えが、自分がどう向き合ってきたかという経験だったり、どう考えて生きてきたかだったりと今の嵐だからこそ伝えられる内容で、現在20代の私にもとても刺さった。
 
「20代とは社会に出ることをきっかけに、10代での育ってきた家庭環境や教育の場で学んできたことや培ってきたことが表現として形成される時期で、
10代20代で自分が形成してきたものが自分自身に返ってくる、生きてくるのは30代からである。」
 
これは松潤が当時に先輩から言われて今も覚えている言葉としてあげていたけど、そうやって彼らも悩んだ時期があったから今伝えられることであって、経験として答えられる内容だと思う。
 
それ以外にも、現在のコロナ禍に際して自分がどのように向き合い、この状況をどう過ごしているかを、彼らの「今」の言葉として聞けるだけでとても勇気をもらう。
 
これはワクワク学校のホームルーム配信でも感じたことだった。ホームルームはとくにLIVEで編集が効かない企画だったから、その対応力のすごさが際立っていたと思う。
 
 
 
それらは受け答えする言葉の一つ一つの誠実さにあるのだと思う。
 
質問者のことを想像して、質問者の真意を組みながら、一つ一つに自分の経験を踏まえながら自分の言葉で応える。
自分たちがその企画を楽しんでいることも誠実さの一つだろう。
誠実に向き合い、定型なんかじゃない自分の言葉で話しているからこそ、人の心に響くような言葉の重みがある。
これを言っておけば喜ぶだろうという安易さは今回の動画にみじんもなかった。ファンを具体的に想像して、なるべくその真意をくみ取って答えようとしているのが伝わってきた。
 
 
言葉にするとなんだか簡単で当たり前のことのように聞こえるが、それを常にするのはとても難しいことだ。
まず、言われたことに対し急に自分の言葉で話すというのは誰でもできることではない。
それに経験がある内容って、ついつい自分の定型で話してしまうものだ。そのほうが話しやすいし、言葉にも迷わない。でも、そういう言葉ってどうしても軽くなってしまって、重みはない。
よく私も求められるような応えを話してしまいがちだし、テレビや雑誌というのはそういう力がもっとも強く働くところだろう。
 
一昔前のアイドルって「事務所のお人形」的な側面がとても強かったと思う。今もきっと指示や制限はいろいろなところにあるのだろう。
嵐もきっと、番組や企画の制限で常にそれをするのは難しいだろう。バラエティーなんてまさに定型を求められるところだし、求められることに応えるアイドルという仕事である以上、自分の全てを話したり説明することはほとんどできない。
 
 
それでもこうした場で嵐が伝えてくれる言葉にはあたたかさがある。
 
アイドルというのは若さが取り柄として取り上げられやすいが、言葉に重みをつけて伝えることは年齢を重ねたアイドルだからこそできることだと思う。
また、伝えることにおいて大きな影響力を持つアイドルがそれをできるのはとても強い。
…アイドルは若さだけが魅力じゃないのはきっとそういうところだ。
 
 
 
そして、ファンクラブ動画という少し特別な空間で、ほぼ編集を挟まない彼らの直接の言葉を聞かせてくれたこと自体が、嵐からファンへの誠実さ以外の何ものでもない。
 
ファンをひとくくりにしないで、一人一人いろんなファンがいることを見ようとしてくれている。
そして自分の経験を自分の言葉で伝えてくれている。
この1時間には、ファンに向けてのこれ以上にないってくらいの誠実さが詰まっていた。
 
 
とくに何か変わった内容があったわけではないけれど、嵐にとってはきっと当たり前のことなのかもしれないけれど、私はこの1時間の動画からブログに思わず綴りたくなるくらいの感動をした。
 
 
ずっとずっと目の前のことに誠実に向き合い続けてきた嵐だからこそできるんだろうな、
ってまた嵐の20年の重さを感じてしまうのだ…。